無料画像で大丈夫?-フリー素材の危険性まとめ-

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フリー素材不正使用の裁判事例

事例1

ネットにおける著作権のあり方をよく表した好例といえる判決。

googleやyahooの画像検索はビジュアルから探すとき凄く便利です。
最近はgoogleで著作権フリーの画像検索も可能になっています。確かに便利ですが、ネットの著作権はそう簡単にはいかないようです。

日本で旅のブログを書いていた人が、使用した画像が著作権侵害だとして訴訟大国アメリカのハワイにすむ写真家とアメリカ企業に訴えられた裁判。
ブログ作者は、ハワイの画像が必要なので、yahoo!画像検索から壁紙サイトにたどり着き、そこの利用規約には
「ここの画像は海外のフリー素材を買ったもの」
「無料でデスクトップの壁紙として利用可」
「ホームページ素材として使用する場合はリンクを張ってください」

と書かれていたので、書かれている通りにしてブログに掲載しました。
それを全く知らないアメリカの写真家と企業が訴えてきたらしい。
使用した写真はたったの2枚でしたが請求したのがなんと750000円

 

「無料で販売」と「無料で利用できる」は違う意味

一般の人の感覚からすると同じことのように思える事ですが、法律上は違うことで、無料で販売していたとしても、それを得た後どのように利用してもいい権利を与えられたわけではないようです。
つまり「壁紙に利用したり個人の観賞用に利用するのは構わないが、ブログに掲載したり仕事で使うのはダメ」ということ。
「フリー」「無償」という文字だけ見てダウンロードしてブログに載せたり、商用利用することの危険性が良く分かる好例でしょう。
「自由に利用する権利」は著作権を持つ写真家とその利用権を与えられたアメリカ企業にしかなく、その他のダウンロードしたユーザーには「プライベートに限定した利用」のみがある意味での「無料」ということのようです。
裁判の結果
原告は不法行為に基づく損害賠償計約750000円を請求したが、裁判の判決はブログ作者は無断使用していた期間のライセンス料約90000円を支払うことが命じられました。
これはブログ作者が上手に対処し裁判を進めた結果の様で、法律に疎い人なら請求額全額支払わされたり、トラブルが怖い人は裁判になる前に相手の言い値を払わされるケースの方が多いでしょう。
ブログの記事のせいで何十万も払うのは割に合わない話です。

事例2「写真の加工」・「被写体の権利」を考えさせられるねぶた写真広告訴訟

今度は有料の写真販売サイトから購入した例ですが、「商業目的での加工」が問題になったケース
青森のねぶた祭りで撮った写真素材を購入し、それを広告に使用したのですが、その際デザインとして
・ねぶた祭り側に許可なしに、広告に利用した。
・巨大な武者絵の人形灯籠の出資企業のスポンサーロゴを消して自分の広告のHPアドレスに書き換えた。
・人形灯篭の一部を勝手に改変し自社の名前に変更した

などの改変を加えて利用し訴えられました。
「ちゃんとお金を払って買ったものなんだから加工してもいいだろう」と常識的には考えてしまいますが、一般にはなじみのない加工利用の権利の好例です。
実は有料で購入したものでも、利用者に与えられているのは「利用する権利」であって、コンテンツそのものの著作権まで得たわけではないのです。
著作権はあくまで写真なら写真家が持っていて、利用者はあくまでそれを利用する権利を与えられたにすぎません。だからそれを利用者の許可なしに商用利用をすることはダメという事でしょうか。

「著作物の同一性の保持」の侵害基準

また写真の場合は「写っているもの」の権利はまた別にあって、そこまでは写真販売サイトは責任を持たないとのこと。
写っている人や建物の肖像権、写っている工業製品などの意匠権などなど。
そうはいっても自分で撮ったり素材販売サイトで買った写真の写っているものすべてに許可を取らないと仕事につかえないのであれば、この世のデザインから写真は消えてしまいます。
ある程度は暗黙に許されるけど、許容範囲を超えるとダメ、という感覚的なもののようです。
著作権には「著作物の同一性の保持」というものがあり、「著作者(作成した作者、写真家)の意に反して変更、切除その他の改変を禁止することができる権」というもの(著作権者に、ではない!)。
絵的に美しいものやインパクトを与えるものが欲しくてデザインの素材として使用にあたっても、改変をする際に注意すべきです。
改変して他人のものをあたかも自社のものであるかのように誤解を与える表現や、あまり極端に被写体を貶めるような処理や、わいせつなモノへの使用は控えるべきでしょう。

著作権は著作者が「権利を侵害された」と訴えれば成立する(親告罪ものだそうです(主に営利目的の場合)。
極端に言えば、どのような表現でも、「権利を持つ人が気にしなければOKで、不快に思えばダメ」、ということです。
逆にこういうことを悪用されてしまうケースもあるのではないかと考えると怖いですね。

有料無料を問わず、利用規約に「商用利用の可否」「加工の可否」は確認した方が良いでしょう。

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